コラム

建築事件/概論


2026年08月29日

今回は、不動産に関する事件の中でも、いわゆる「建築事件」について。

建築事件とは、マンションを購入したら傾いていた、自宅の新築を依頼したら水漏れがした、下請業者が柱を一本忘れて建築してしまった(本当にありました)、などです。

かなり専門性が高い事件であるため、東京地裁でも、一定の建築事件については、民事第22部が専門的に担当することになっています。事件の進行に応じて、建築士さん等の専門委員が関与することもあります。

https://www.courts.go.jp/tokyo/saiban/l3/Vcms3_00000560.html

で、例えば、個人の顧客と建設会社が争いになった場合、業者さん側は、従業員に有資格者がいたり専門的知見がある方がいたりして、ある程度概要が掴みやすいところがあります。従業員にいなくても、協力業者さんの助けなどは、比較的得やすい。

私は、多くは業者さん側で対応することが多いのですが、専門家や業者さんの意見を聞くのは必須。建築基準法や技術関係の書籍を見て、理屈は分かったとしてもいわゆる現場感覚はそれだけでは分からないことも多く、専門家のサジェスチョンは非常に助かります。

他方で、被害を受けた個人の顧客さんは、そもそも知識がなく、状況・事案を整理するのが大変で。

一口に自宅の不具合といっても、床が傾いているっぽいけどどの程度傾いているのか分からない、原因としても基礎がおかしいのか地盤が悪いのか、そもそも気にする程度のものなのか、も分からない。

水漏れがあったとしても、どこから雨水が入ってくるのか分からない、単に防水加工をすればいいのか、管がおかしいのか。単なる経年劣化なのか。

しかも、不具合箇所が数十箇所、というのはザラだったりもします。Excelで整理しているうちに、新たな不具合に気づいたりして。

ここの整理が雑だと審理も進みにくいので、不具合箇所の写真を撮ったり、他の業者さんに調査依頼したり(補修を別の業者さんに依頼した場合の資料が参考になったりします。)、場合によっては弁護士と相談しながら対応しなければなりません。

弁護士会にも、相談窓口があったりします。

https://www.toben.or.jp/bengoshi/syoukai/field/kenchikufunsou.html

事程左様に、状況整理や建築的視点での対応が大変なのがこの種の案件。

身も蓋も無い話ですが、アフターサービスがしっかりした業者さんであり、そこで対応するのが費用的にも時間的にもスムーズだったりして、これが一番の予防というのが、今日の結論です。

その分費用も高いのですが。


カテゴリー: 不動産