接見室で・・・
2026年09月26日
弁護士懲戒のシリーズです。
自由と正義2026年8月号で公表されていた事案なのですが、被懲戒者が、接見室で、スマホを利用して、被疑者と外部の知人の通話を行わせたり、懲戒請求者が指示するメッセージを送ったというもの。前者は10回弱程度、後者は十数回程度。
結論は業務停止3月でした。
被疑者には、おそらくは、接見禁止処分が付されていたと思われます。
接見禁止とは、簡単に言うと、罪証隠滅などの危険がある場合(口裏合わせとか、証拠隠滅指示とか)になされる処分です。
ただ、その場合であっても、弁護人は被疑者と接見出来ますので、これを悪用して、弁護人以外のものとやりとりがなされた、ということです。
事実関係に間違いがないとすれば、違法行為でありアウト中のアウトです。
報道でも、罪証隠滅工作などを招きかねない危険があり、秘密交通権の趣旨を逸脱し、適正な刑事弁護活動への信頼を損なうと指摘があり、弁護士会会長は記者会見で「秘密交通権という刑事弁護の基本的権利を悪用するあるまじき行為だ」と述べたとのことで、まさにそのとおり。
https://www.47news.jp/14003917.html
で、これ、問題として大きいのが1回ではなくて、通話は10回弱という常習性。
被疑者の言いなりになっていたのか、被疑者の共犯者や所属する組織に指示されたのか、弁護人自身何か正義に叶うと信じてやっていたのか。
業務停止3月というのは心証としては軽く、何か事情があったのかな、とは思いますが。
前もどこかで書いたかもしれないのですが、被疑者だったりその関係者のいいなりになるのは絶対に避けなくてはならない。
被疑者は、自分の身を守るのに必死で、そのためには何でもしたいのは、いわばデフォルト。
弁護人はそれを諭したり拒否したりしなくてはいけないわけです。
私も、被疑者が接見室のアクリル板を殴ってきたり、共犯者から脅しめいたことを言われたことはあります。
もう、弁護人としては避けようがないのです。ただ、この対応が、それはそれはストレスであることも、ちょっと知っていただきたいとも思います。
*事案の概要は、自由と正義を参考に筆者が作成しました。
カテゴリー: 懲戒処分