「品位」とは何ぞや
2026年03月27日
弁護士の懲戒関係、今回は、特定の事例ではなく「弁護士職務基本規程」なるものについて取り上げたいと思います。
弁護士が懲戒される場合には、単純に罪を犯して捕まった、というケースもありますが、多くは、この「弁護士職務基本規程」に違反していると認定されます。日弁連が定めた規程です。
https://www.nichibenren.or.jp/library/ja/jfba_info/rules/data/rinzisoukai_syokumu.pdf
例えば、23条は、「弁護士は、正当な理由なく、依頼者について職務上知り得た秘密を他に漏らし、又は利用してはならない」とあります。秘密を漏洩してはいけない、これは弁護士業務の根幹でもあり、分かりやすい。
ちょっと捻ったところですと、17条という規定があり、「弁護士は、係争の目的物を譲り受けてはならない」と定めてあります。例えば、弁護士が、占有関係が争いになっている不動産を自分で買っちゃう、みたいなケースですね。弁護士は依頼者の代理人として活動するコマンドなので、紛争の当事者になってはいけない。まあ、これも分かります。
他方で、アバウトというか包括的な規定もあるわけです。
例えば第6条「弁護士は、名誉を重んじ、信用を維持するとともに、廉潔を保持し、常に品位を高めるように努める」
これは良くわからない。私自身、信用の維持には努めている気がしますが、名誉を重んじているのかは疑問ですし、廉潔を保持しているかと言われると、下を向いてしまいます。
この点、不貞絡みはどうなの、という話を以前ここで書いたことがあります。
では、弁護士がキャバクラに行ったらどうなのか。
風俗は。アイドルのオタ活は。逆にホストクラブに日参するのは。
違法ギャンブルはアウトにしても、合法ギャンブルである競馬で身上潰したら。身上潰してなくても、年間200万くらい(微妙な金額)溶かしていたら。
競馬がアレなら、投資でちょっと勇み足するのはセーフなのか。
家賃滞納は。
親族から金を借りまくったら。
日弁連の解説書(解説 弁護士職務基本規程)を見ると、違反の程度が高く、弁護士法56条に定める「品位を失うべき非行」に該当して初めて懲戒対象になる、と申すのですが、要は程度問題なのですね。
憲法とか刑法では、「明確性の原則」といって、人権保障の観点から刑罰法規は何が犯罪にあたるのか明確でなければいけない、という理念があるのですが、この条項が明確なのかというと、でも懲戒は刑罰ではないし、いや、ある意味不利益の程度は大きくて。
まあ、廉潔でいろ、ということのようです。はい。
カテゴリー: 懲戒処分