コラム 最新記事

2025年09月26日

相続は、関係者(しかも親族が多い)の利害がぶつかりあう場面です。 なので、色々な立場を調整する必要があるので、それに伴って色々な制度が定められています。 そんな中、今回取り上げるのは「寄与分」で、要は、相続人が「私は被相続人の世話をしていたのだから多くよこせ」という制度です。 この言い方は下品なのですけれど、感覚的には分からんでもない。 ひとまず、配偶者が亡くなって親は1人、子どもが複数いる家...

2025年08月29日

今回は、自由と正義2025年7月号で公表されていた、弁護士の懲戒事案を取り上げたいと思います。 民事訴訟事件を受任していた弁護士が、尋問対象者に対して記憶に反する供述をするよう積極的な指示を行った、という事案です。 条件反射的に「偽証罪!」という言葉が頭をよぎりますが、ここらはちょっとややこしくて。 まず、「偽証」とは何ぞや、というと、主観説といって、証言をする人が、自分の記憶と異なる証言をする...

2025年07月25日

私が受任する事件は、不動産に関連する案件の割合が比較的多いのですが、その中でも比較的頻繁なのが、不動産所有者による建物の明渡事件です。 典型例としては、賃借人が賃料を支払わない、無断転貸した、などの事情があるときに、賃貸借契約を解除して建物からの明け渡しを求める、というものです。 というとルーティン作業(簡単に終わる)のようにも見えますが、なかなか明け渡してくれないケースも多く、意外と手間が...

2025年06月27日

今回は、共著ですが、書籍が出版されましたので、ご案内です。 新日本法規から、「相続財産の管理と処分―所有者不明不動産、管理不全等不動産、不在者、相続人の不存在―」というタイトル。 https://www.sn-hoki.co.jp/shop/item/5100363 私の担当はQ22「一部の共同相続人による無断占有」、Q23「不法占有者による不動産の占有」、Q37「不在者財産管理人の選任」です。 地味な分野・・・ですが、お暇がありましたら、ご一読...

2025年05月23日

今回は、弁護士に対する懲戒処分を検討してみたいと思います。 弁護士に対する懲戒処分とは、「品位を失うべき非行」等があったときに、弁護士会から下される処分で、戒告、業務停止、退会命令、除名、の4種類があります。実務的にも、精神的にも、お客様の信頼的にも、ダメージが大きい手続きです。   今回は、自由と正義(業界誌)2024年12月号で公表されていた事案を取り上げたいと思います。 各弁護士会が「依頼者...